英語の母国、英国の資格2:CLC(英国不動産譲渡専門弁護士)

こんにちは、NEW HORIZON OVERSEAS STUDIESHIROです。

今回も英国の資格の紹介をします。

今回は、英国(England & Wales)の不動産関連資格のCLC(Council for Licensed Conveyancers)Licensed Conveyancerについて書きます。

Conveyancerとは、日本語にすると、不動産譲渡取扱人もしくは不動産譲渡専門の弁護士になります。

日本では、主に司法書士が携わっている業務を英国ではこのConveyancerが行っています。

不動産関係のお仕事をされていたり、不動産の売買を行った経験がおありの方であればご存じであると思いますが、日本の不動産の売買には通常、司法書士の立ち合いのもと行われます。

不動産取引がより安全かつ確実に行われるためのサポートをするため、司法書士に依頼をします。

司法書士に依頼をしますと、不動産登記に係る諸々の書類作成、法務局への提出もしていただけます。

法律に関わる分野の専門家は英国や英国の影響を受けた英連邦の国々では、Barrister法廷弁護士、法廷での弁論、証拠調べなどを行う)、Solicitor事務弁護士、主に法廷外の事務的な案件を扱う)に分かれています。

この内、不動産の法的業務を担当するのは、伝統的にSolicitorですが、Solicitorの業務が多岐に亘り、年々、不動産取引が増えてきているのもあって、不動産専門の法的業務を行う者の育成が急務になり、この資格が1987年の法改正により導入されました。

https://www.mundys.co.uk/about-us/what-is-a-conveyancer/

Licensed Conveyancer(CLC資格保持者)になるためには、まず、Conveyancing diploma courses at Level 4 and Level 6(不動産譲渡取扱人ディプロマコース、レベル4と6)を修了することが必要です。

https://www.clc-uk.org/trainees/conveyancing-diplomas/

レベル4ディプロマコースは5科目からなります。

1,英国(England & Wales)法制度(The English Law System)

2,契約法(Law of Contract)

3,土地法(Land Law)

4,標準的な不動産譲渡取引(Standard Conveyancing Transactions)

5,不動産譲渡取引のための会計処理の理解

(Understanding Accounting Procedures for Conveyancing Transactions)

勉強する科目のレベルは現地の大学初年レベルのようです。

大体18~24か月で終えられるようですが、十分に学習時間が確保できてもかなり高いレベルの英語力が備わっていないと、2年以上かかることは容易に想像できます。

レベル4ディプロマコースを終えることで、Conveyancing Technician(不動産譲渡取扱人助手)になる資格を得ます。

Conveyancing Technician(不動産譲渡取扱人助手)は、不動産譲渡専門弁護士の指導の下で、主に不動産譲渡専門弁護士のサポートとして居住用物件の譲渡取引に携わることができます。

CLC(Council for Licensed Conveyancers)に登録する場合は、さらに6か月の実務経験が必要です。

フルタイム、パートタイム、有給、無給関係なくこの6か月の実務経験に含めることができます

レベル4ディプロマコースを終えた後、希望者はレベル6ディプロマコースに進むことができます。

このレベル6ディプロマコースは3科目からなります。

1,家主、地主と借主(Landlord and Tenant )

2,不動産譲渡法と実務(Conveyancing Law and Practice)

3,クライアントの管理と不動産譲渡取引のためのオフィス経理(Managing Client and Office Accounts for Conveyancing)

こちらは現地の大学最終年レベルだそうです。

最初の科目、家主、地主と借主(Landlord and Tenant )を終えるのにおよそ9~12か月かかり、残りの2科目を終えるのに大体12~18か月かかるようです。

レベル6ディプロマコースを終えることで、イングランドとウェールズにおいてLicensed Conveyancerになれる資格を得ます。

Licensed Conveyancerになるためには、さらに1200時間の実務経験を積む必要がありますが、これはフルタイム、パートタイム、有給、無給関係なく、しかも勉強開始前、勉強中、レベル6ディプロマコース修了後いずれの場合も1200時間に含めることができます

1200時間フルタイムでおよそ10か月です。

これらのコース、Conveyancing diploma courses at Level 4 and Level 6(不動産譲渡取扱人ディプロマコース、レベル4と6)、は、英国(England & Wales)の幾つかの専門学校で開講しており、学習者は必ずこれらの専門学校の内の1つに在籍することがCLCにより義務付けられています。ですので、前回のブログで紹介しました、ACCAとは違い、独学で試験だけ受けることができないようです。

https://www.clc-uk.org/trainees/conveyancing-diplomas/

また、オンライン受講ができる学校もあります。

資格の活かし方としては、英国(イングランドとウェールズ)の不動産を扱っている企業(現地や国外)で働く、自分で英国(イングランドとウェールズ)の不動産を扱う事業を立ち上げる、英連邦諸国や米国など英国(イングランドとウェールズ)と同じ英米法(コモンロー)を採用している国の不動産を扱っている企業で働くといったところでしょうか。

これは、英米法(コモンロー)の発祥の地が英国(イングランドとウェールズ)なので、法律のシステムが同じで、似たような法律があり、法の解釈、手続きなども似通っているため、互換性が高いことが理由です。

専門学校の紹介をご希望の方は、NEW HORIZON OVERSEAS STUDIESまでどうぞ!

https://study-overseas.amebaownd.com/

今回もお読みいただきまして、ありがとうございました!

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